【力学】円盤x軸まわり慣性モーメントを求めてみた!!

物理

今回は円盤の x軸まわり慣性モーメントについて解説したいと思います。

「z軸まわり(円盤の法線方向)は覚えてるけどx軸は…」となっている方も割と多いのではないかと思います。

そんな方の参考になればと、色々な方法(といっても2種類ですが)でやっていきたいと思います。

ではさっそく行きましょう。

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力学の参考書

今回は

で紹介されている方法を参考にしました。

他にも「【難関大学院向け】院試で役に立った数学・物理の参考書」では院試の際には本当に助けられたえりすぐりの院試参考書をまとめてみたので、興味があればぜひ。

円盤\(x\)軸まわり慣性モーメント

慣性モーメントの定義から求めていく方法

x軸慣性モーメントの定義は

$$
I_x = \int y^2 dm\tag{1}
$$

です。

\(dm\)は図形の微小部分の質量になります。

これを念頭に進めていきます。

微小質量

上のような半径\(a\)、質量\(m\)、面密度\(\sigma\)の円盤をx軸まわりに回転させたときの慣性モーメントを求めていきたいと思います。

ではまず、微小質量\(dm\)を求めていきます。

微小質量は

\(x\)軸と平行な帯状部分(赤い部分)の質量に分けて考えます。

よってこの部分の質量は長方形だと考えると

\begin{eqnarray}
dm = \sigma 2x dy\tag{2}
\end{eqnarray}

と考えられます。

慣性モーメント

では(1)式に(2)式を代入し計算していきます。

\begin{eqnarray}
I_x &=& \int y^2dm\\
&=& 2\sigma\int y^2 (a^2-y^2)^{\frac{1}{2}}dy\\
\end{eqnarray}

最後の変形で

$$
x^2+y^2 = a^2
$$

を使いました。

ここで、\(y = a\sin\theta\)とおくと

\begin{eqnarray}
I_x &=& 2\sigma a^4\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}}\cos^2\theta \sin^2\theta d\theta\\
&=& 2a^4\frac{m}{\pi a^2} \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} \left(\frac{1}{2}\sin 2\theta \right)^2 d\theta\\
&=& \frac{ma^2}{2\pi} \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} \frac{1-\cos 4\theta}{2} d\theta\\
&=& \frac{1}{4}ma^2
\end{eqnarray}

となります。

これでx軸まわりの慣性モーメントが

$$
I_x = \frac{1}{4}ma^2
$$

ということが分かりました。

ちなみに(対称性から)y軸まわりの慣性モーメントも

$$
I_y = \frac{1}{4}ma^2
$$

となっています。

直交軸の定理から求めていく方法

ではもう一つ「直交軸の定理」から求める方法を紹介したいと思います。

直交軸の定理とは

$$
I_z = I_x + I_y \tag{3}
$$

という関係を表す定理です。

ここで、先ほども言ったととおり対称性から

$$
I_x=I_y
$$

となっているので(3)式に代入して変形すると

$$
I_z = 2I_x
$$

が言え、\(I_z\)が分かれば簡単に\(I_x\)を求めることができます。

ではこの方法で\(I_x\)を求めてみましょう。

\(I_z\)を求める

では\(I_z\)を求めます。

\begin{eqnarray}
I_z &=& \int_{0}^{a}\int_{0}^{2\pi} r^2\sigma r\sin\theta drd\theta\\
&=& \frac{\pi}{2}a^4\sigma\\
&=& \frac{1}{2}ma^2
\end{eqnarray}

となり、

$$
I_z = \frac{1}{2}ma^2
$$

がわかります。

\(I_x\)を求める

よって、

$$
I_x = \frac{1}{2}I_z = \frac{1}{4}ma^2
$$

となり、

$$
I_x = \frac{1}{4}ma^2
$$

で先ほどの値と一致しました。

同様に\(I_y\)も

$$
I_y = \frac{1}{4}ma^2
$$

となり、一致していることが分かります。

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