こんにちは
今回は「仮説検定」について解説していきたいと思います。
仮説検定
仮説検定では
- まず、仮説を立てる
- 次に、有意水準を決める
- 最後に、検定量が有意水準を超えているか/いないかを確かめる
といった手順を踏んでいきます。
では、具体的にやっていきましょう。
ポッポの体重を検定する
また例によってポッポの体重(の母平均)を検定していきます。

また、今回は体重の平均を調べるため、t分布を使った検定(t検定)を行っていきます。
仮説を立てる
では、「【統計】t分布について解説してみた!!」の例題をもう一度考えてみます。
9匹のポッポを捕まえ、体重を測定します。その結果、体重の平均が2.0kg, 体重のばらつき(標本標準偏差)が0.2kgとなったとします。
このとき、「母平均は1.8kg(ポケモン公式)である」という仮説は成り立つでしょうか?
話を整理すると
標本平均\(\bar{X}\)が2.0kg, 標本標準偏差\(s\)が0.2kg, 標本数が9です。
さらに仮説については
$$
\begin{cases}
H_0 : \mu = 1.8\\
H_1 : \mu \neq 1.8
\end{cases}
$$
となります。(\(H_0\)を帰無仮説といいます。)
以上より、今回のtの値は
$$
t = \frac{2.0 – 1.8}{0.2/3} = 3
$$
となっていることが分かりました(この値をt検定量と呼びます)。
有意水準を決める
今回は有意水準を\(\alpha = 0.05\)で決めます。
有意水準とは、仮説を棄却するための基準です。
有意水準が\(\alpha = 0.05\)のときを考えると、tの値がt分布の上位2.5%以上もしくは下位2.5%以下(合わせて5%=0.05)なら仮説を棄却できます。
なぜなら、「\(\mu = 1.8\)と仮定した分布から、(上位(下位)2.5%以上(以下)という低い確率で)\(\bar{X}=2.0\)が得られた!!」と考えるよりも「そもそも\(\mu = 1.8\)という仮説が間違っている」と考えたほうが自然だからです。

さて、上位2.5%のtの値はいくらになっているか調べると(統計の教科書の巻末に載っているt分布表で調べます)、
$$
t_{0.025} = 2.26
$$
となります。
検定量が有意水準を超えているか/いないかを確かめる
最後に、検定量(t検定量)の値が有意水準を超えているか/いないかを確かめます。
もし、超えている場合分布の上位(下位)2.5%に入ってしまっている(そんなことは滅多にないと考えている)ので、帰無仮説は棄却されます。
今回の場合は
$$
t = 3, t_{0.025} = 2.26
$$
となり、\(t > t_{0.025}\)で有意水準を超えています。
つまり、「\(\mu = 1.8\)と仮定した分布から\(\bar{X}\)が得られる確率は、上位(下位)2.5%以上(以下)」ということです。
こんな珍しいことは滅多に起きないので、「仮説\(\mu = 1.8\)が間違っている」と考えたほうが自然ですね。
よって、仮説\(H_0 : \mu = 1.8\)は棄却され、ポッポの体重の母平均は\(\mu \neq 1.8\)であることが分かりました。