以前、ストークスの波動公式を求めました。
今回は得られた公式を使って、境界条件が与えられた場合の解を求めてみましょう。
初期条件
弦を\(x=0,\;x=L\)で固定する。すなわち境界条件 $$ \begin{eqnarray} \begin{cases} u(0,t) = 0\\ u(L,t) = 0 \end{cases} \end{eqnarray} $$ を課す。
解法
代入
では境界条件をストークスの波動公式に代入していきましょう。
ストークスの波動公式は
$$ u(x,t) = \frac{1}{2}[F_1(x-ct)+F_1(x+ct)]+\frac{1}{2c}\int_{x-ct}^{x+ct}F_2(x’)dx’ $$ だったので、これに代入していきます。
\(u(0,t) = 0\)
$$ u(0,t) = \frac{1}{2}[F_1(-ct)+F_1(ct)]+\frac{1}{2c}\int_{-ct}^{ct}F_2(x’)dx’ = 0 $$ より、
この等式が成り立つには $$ F_1(-ct)+F_1(ct) = 0\tag{1} $$ $$ \int_{-ct}^{ct}F_2(x’)dx’ = 0\tag{2} $$ でなければなりません。
すなわち、(1)式は $$ F_1(ct) = -F_1(-ct) $$ となり、奇関数になっていなくてはいけません。
(2)式も同様で $$ F_2(x) = -F_2(-x) $$ の奇関数になっていなくてはいけません。
\(u(L,t)=0\)
今度は\(u(L,t)=0\)の場合を考えてみましょう。代入すると、
$$ u(L,t)=\frac{1}{2}[F_1(L-ct)+F_1(L+ct)]+\frac{1}{2c}\int_{L-ct}^{L+ct}F_2(x’)dx’ $$
これも同様に
$$ F_1(L-ct)+F_1(L+ct) = 0\tag{3} $$ $$ \int_{L-ct}^{L+ct}F_2(x’)dx’ = 0\tag{4} $$ でなければなりません。
すなわち、(3)式は $$ F_1(ct+L) = -F_1(-ct+L) $$ となり、奇関数ということに加え、周期2Lの周期関数ということもわかります。
(4)式も同様で $$ F_2(x+L) = -F_2(-x+L) $$ の奇関数であり、周期2Lの周期関数ということが分かります。
図にしてみる
図にしてみると以下のようになります。

(下手…)
こんな感じの左右対称の関数が書けると思います。