今回は相対論的な速度で動く粒子が電場に入射したときの運動を計算したいと思います。
非相対論的な速度での運動とはまた違った挙動を示すので、非常に面白いです。
問題設定
静止質量 \(m\)、電荷\(q\)の粒子が、電場\(E\)に絶対値 \(v_0\) の相対論的速度で垂直に入射したとする。電場は\(0\leq x\)の領域に存在する。
入射の向きを\(x\)軸に、電場の向きを\(y\)軸にとり, 入射した位置を\((x,y) = (0,0)\)とする。光速度を\(c\)とする。

解法
\(x\)軸方向の運動方程式
まず、\(x\)軸方向の運動方程式を立てます。
粒子は相対論的速度で動いているので、その運動量の\(x\)成分は
$$
p_x = m\frac{v_x}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}} (v_x,v_yは速度のx成分とy成分)
$$
となるので
運動方程式は
$$
m\frac{d}{dt}\left(\frac{v_x}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}}\right) = 0\tag{1}
$$
となります。
\(v_x\)を\(v_y\)で表す
ここで(1)式を解いて\(v_x\)を\(v_y\)で表します。
(1)式を時間積分すると
$$
m \frac{v_x}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}} = C_0 (C_0は積分定数)\tag{2}
$$
ここで初期条件より、\(t=0\)のとき\(v_x = v_0, v_y = 0\)なので
(2)式に代入すると
$$
m \frac{v_0}{\sqrt{1-\frac{v_0^2}{c^2}}} = C_0\tag{3}
$$
となり、積分定数を決定できます。
よって(3)式を(2)式へ代入すると
$$
m \frac{v_x}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}} = m \frac{v_0}{\sqrt{1-\frac{v_0^2}{c^2}}}
$$
となります。これを\(v_x\)について解くと、
$$
v_x = v_0\sqrt{1-\frac{v_y^2}{c^2}}\tag{4}
$$
となり、\(v_x\)を\(v_y\)で表せました。
\(y\)軸方向の運動方程式
次に\(y\)軸方向の運動方程式を立てていきます。
\(y\)軸方向の運動量は
$$
p_y = m\frac{v_y}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}}
$$
と書けるので、運動方程式は
$$
m\frac{d}{dt}\left(\frac{v_y}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}}\right) = qE\tag{5}
$$
となります。
\(v_x,v_y\)を求める
では(5)式を解いて\(v_x,v_y\)を求めましょう。
(5)式を時間積分すると、
$$
m\left(\frac{v_y}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}}\right) = qEt + C_2
$$
となり、先程使った初期条件から\(C_2=0\)ということが分かります。
よって
$$
m\left(\frac{v_y}{\sqrt{1-\frac{v_x^2+v_y^2}{c^2}}}\right) = qEt \tag{6}
$$
となります。
これに(4)式を代入し、少し変形すると、
$$
\begin{eqnarray}
\begin{cases}
v_x = \frac{v_0}{\sqrt{1+ \frac{A^2}{c^2}t^2}}\\
v_y = \frac{At}{\sqrt{1+\frac{A^2}{c^2}t^2}} \\
(ただしA=\frac{qE}{m}\sqrt{1-\frac{ v_0^2 }{c^2}})
\end{cases}
\end{eqnarray}
$$
となります。
コメント
I delight іn, ϲause I found exactⅼy wһat I ᥙsed to be loоking fоr.
You’vе ended my 4 Ԁay lengthy hunt! God Bledss үoս man. Have a
nice day. Bye