直線偏光と楕円偏光についてよくわかっていなかったので、まとめてみました。
結論から言うと電場のx成分、y成分が直線の関係つまり
$$E_y=aE_x\ (aは比例定数)$$
なら直線偏光に、
電場のx成分、y成分が楕円の関係つまり
$$\left(\frac{E_x}{a}\right)^2+\left(\frac{E_y}{b}\right)^2=1$$
ならば楕円偏光になっています。
これだけではよくわからないと思うので、実際に計算していきます。
下準備
まず、電場の進行方向をz軸と平行とします。
つまり、\(k \parallel z\)とし、そのベクトルを\({\bf E}\)とします。さらに、そのx成分を\(E_xe^{i(kz-\omega t)}\),y成分を\(E_ye^{i(kz-\omega t)}\)とします。
よって、$${\bf E}=({\bf e_x}E_x + {\bf e_y}E_y)e^{i(kz-\omega t)}$$となります。
ではまず、直線偏光から考えていきます。
直線偏光
直線偏光になる条件、それはすなわち\(E_x\)と\(E_y\)の位相がそろっているということです。これを頭に入れておきましょう。では、それらの実部をとるときを考えます。\(E_x\)と\(E_y\)の実部を取ったときの振幅を\(E_{0x}\),\(E_{0y}\)と置くと $$ E_x(z,t)=E_{0x}\cos (kz-\omega t) \tag{1} $$ $$ E_y(z,t)=E_{0y}\cos (kz-\omega t) \tag{2} $$ となります。
(1),(2)から、 $$ E_y=\frac{E_{0y}}{E_{0x}} E_x $$ より、この式は直線を表します。なので直線偏光といいます。
楕円偏光
次に楕円偏光の場合です。楕円偏光になる条件は位相がずれていることです。今回は位相が\(\pm i\)
このとき$${\bf E}=({\bf e_x}E_{0x} + \pm i{\bf e_y}E_{0y})e^{i(kz-\omega t)}$$となり、実部を取ると、
$$ E_x(z,t)=E_{0x}\cos (kz-\omega t) \tag{3} $$ $$ E_y(z,t)=\mp E_{0y}\sin (kz-\omega t) \tag{4} $$
(3),(4)より、$$\left(\frac{E_x}{E_{0x}}\right)^2+\left(\frac{E_y}{E_{0y}}\right)^2=1$$ となり、これは楕円の式となります。なのでこのとき楕円偏光と呼ばれます。