今日は位相空間とボーア・ゾンマーフェルトの量子化条件について解説します。
位相空間
位相空間とは物体の運動量を縦軸に座標を横軸に取ったもののことです。
なぜこのようなものが必要かというと、例えば座標系が変わってしまったとき (デカルト座標系から極座標とか) に座標だけの空間だと、どのような運動をしているのかわからなくなってしまいます。なぜなら座標系によって軸の取り方が違うから。
こんなときには速度が分かればいいですね。ベクトルと速ささえわかれば次の時刻にどのような運動をするかが予測できます。
え、運動量は?と思った方もいらっしゃるかと思いますが、
運動量=質量×速度なので速度の代わりに運動量を用いてもよいことになります。
ボーアゾンマーフェルトの量子化条件
この位相空間を用いて周期運動のエネルギーを量子化することができます。
周期運動するときには位相空間上で閉じた軌跡を描きます。(後述)
この閉じた面積\(A\)が、
$$A=2\pi n\hbar\ (n=1,2,3, \cdots)$$
と量子化(とびとびの値しかとらない)されることを発見しました。これがいわゆるボーア・ゾンマーフェルトの量子条件です。
ではこれらを使い、単振動運動の量子化エネルギーを求めてみましょう。
単振動運動の量子化エネルギー
ではまず、位相空間に軌跡を描いてみましょう。
単振動運動のエネルギー(ハミルトニアン)は
$$E=\frac{p^2}{2m} + \frac{m\omega^2x^2}{2}$$
なので、これを式変形すると、
$$\frac{p^2}{2mE}+\frac{m\omega^2x^2}{2E} = 1$$すなわち、$$\left(\frac{p}{\sqrt{2mE}}\right)^2+\left(\frac{x}{\sqrt{\frac{2E}{m\omega^2}}}\right)^2 = 1$$
となります。
これは楕円の式 $$\left(\frac{x}{a}\right)^2+\left(\frac{y}{b}\right)^2 = 1$$に相当するので、
軌跡を描くと、

となります。(ただし、\(x_n=\sqrt{\frac{2E}{m\omega^2}},\ \ p_n=\sqrt{2mE}\))
楕円の面積を求める公式$$A=\pi ab$$
より、$$A=\pi \sqrt{\frac{2E}{m\omega^2}}\sqrt{2mE}= \frac{2\pi E}{\omega}$$である。
よって、ボーア・ゾンマーフェルトの量子化条件より、$$\frac{2\pi E}{\omega}=2\pi n\hbar$$なので$$E=n \hbar \omega$$であり、これが量子化されたエネルギーとなる。
参考

コメント
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