今回は「【量子力学】エルミート微分方程式で固有エネルギーを求めてみた!」で使った
$$
\lambda = 2n+1 (n=0,1,2,\cdots)
$$
という関係を導いていこうと思います。
これは、エルミート微分方程式が級数解を持ち、さらにその解が有限で切れることの条件にもなっていて、とても重要な性質といえます。
ここでは漸化式やいろいろなテクニックが出てくるので、注意して取り組んでいきましょう。
では解説していきます。
エルミート微分方程式の解
級数解
まず、エルミート微分方程式
$$
\left(-\frac{d^2}{d\xi^2}+2\xi\frac{d}{d\xi}\right)f = (\lambda -1)f\tag{1}
$$
に級数解、すなわち
$$
f = \sum_{k=0}^{\infty}c_k\xi^{k}\tag{2}
$$
を代入します。
級数の微分
まず、微分\(\frac{d^2f}{d\xi^2},\frac{df}{d\xi}\)から計算していきます。
級数の一階微分は
$$
\frac{df}{d\xi} = \sum_{k=0}^{\infty}kc_k\xi^{k-1}\tag{3}
$$
となります。
(3)式は
$$
\begin{eqnarray}
(3) &=& 0 + \sum_{k=1}^{\infty}kc_k\xi^{k-1} (k=0のときは0になる)\\
&=& \sum_{k=1}^{\infty}kc_k\xi^{k-1} \tag{4}
\end{eqnarray}
$$
さらに\(k\to k+1\)に変換すると
(4)式は
$$
\begin{eqnarray}
(4) &=& \sum_{k+1=1}^{\infty}(k+1)c_{k+1}\xi^{(k+1)-1}\\
&=& \sum_{k=0}^{\infty}(k+1)c_{k+1}\xi^{k} \tag{5}
\end{eqnarray}
$$
となります。
\((3)\to(5)\)の流れは難しいので、よく復習してください。
これを利用すると
$$
\begin{cases}
\frac{d^2 f}{d\xi^2} = \sum_{k=1}^{\infty}-c_{k+2}(k+2)(k+1)\xi^{k}+2c_2\\
\xi\frac{df}{d\xi}=\xi\sum_{k=1}^{\infty}kc_{k}\xi^{k-1} = \sum_{k=1}^{\infty}kc_{k}\xi^{k}
\end{cases}\tag{6}
$$
となります。
漸化式
(6)を利用して(1)を書き換えると
$$
\sum_{k=1}^{\infty}\left[\left\{-c_{k+2}(k+2)(k+1)+(2k-\lambda +1)c_{k}\right\}\xi^{k} + 2c_2 -(\lambda -1)c_0\right]=0\tag{7}
$$
となります。
ここから任意の\(\xi \)について成り立つには
$$
-c_{k+2}(k+2)(k+1)+(2k-\lambda +1)c_{k} = 0\tag{8}
$$
が成り立つ必要があります。
(8)式を変形すると
$$
c_{k+2} = \frac{(2k – \lambda +1)}{(k+2)(k+1)}c_k (k=0,1,2,\cdots)\tag{9}
$$
となります。
級数解が有限で切れる条件
(9)式は級数解\(f = \sum_{k=0}^{\infty}c_k \xi^{k}\)の係数\(c_k\)でした。
係数が無限まで続いていると、発散してしまうため物理的な解とは言えなくなってしまいます。
そのため、どこかで係数が0になる必要があります。
(9)式が0になるには分子が
$$
(2k – \lambda +1) = 0\tag{10}
$$
でなくてはいけません。
そのためこの\(\lambda\)について変形すると
$$
\lambda = 2k+1 (k = 0,1,2,\cdots)
$$
となります。これは\(\lambda\)は奇数であることを表しています。
よって、エルミート微分方程式の解が有限で切れ、物理的な解を持つには\(\lambda\)が奇数でなければならない事が分かりました。