こんにちは
先日、地方の国立大から東大の院に合格できたので、この一年間どんな風に勉強してきたか解説したいと思います。
結論からいうと
「早めに勉強を始める」と「過去問からやろう」ということです。
両方身もふたもない気がしますが、ある程度確信をもっておすすめできるので紹介していきたいと思います。
早めに始める
院試は(当たり前ですが)勉強時間が多いほど有利です。
よく質を取るか、量を取るかという議論がありますが、僕は絶対に「量」が先に来るものだと考えています。
そこで僕は同じ量勉強するにも、期間を長くとることをおすすめしていきたいと思います。
これを実践することで下のような効果があります。
- 計画に余裕ができる
- 継続力がつく
- 不安が減る
といった効果が出ます。つまり精神的な安定につながりやすい、といったところでしょうか。
計画に余裕ができる
僕が院試の情報を集めているときに「3か月で毎日12時間勉強」して院試に合格した人のブログを見たことがあります。
しかし、僕はそんな長時間集中できる気がしなかった上に、追い込まれているので精神的にもきついだろうと思いました。
そこで同じ量勉強するには「期間を長くとればいい」そして「ムリなく継続できればいい」と考えました。
例えば先ほどの例で行くと期間を3か月→6か月に伸ばすと一日6時間勉強すればいいですね。
こうして「少し勉強時間短いかな…」と思うくらいがちょうどよくて、このように計画に余裕を持たせることで不測の事態(急なイベントとか卒業研究とか)などにも対応しやすくなりますし、無理なく続けられるので、合計で見たときにはかえって勉強時間を多くとれます。
ちなみに僕は「人の2倍やれば受かるだろう」と考えて1日6時間を1年続けました。
継続力がつく
とはいえ、「私は追い込まれた方がやる気が出るので…」という方もいるでしょう。
ですが、やはり僕は長い期間準備することを推奨したいと思います。
それは継続することが何より大事だと思うからです。
就職するにしろ、研究者になるにしろ毎日継続して何かを勉強することからは逃げられないと思います。
なにか成果を残すには単発で何かをやるより、長いスパンでやった方が成功率が高いような気がします。(ただし、天才を除く)
さらに、毎日継続できると小さな自信につながります。
どんなに楽なタスクでも毎日続けることができたら意外と自信をつけることができます。
この小さな自信は大事で、これを糧にいろいろなところにチャレンジすることも容易に思います。
なんだかわき道にそれてしまいましたが、成功率を上げたい・自信をつけたい方は長いスパンで勉強した方がいいと思います。
不安が減る
「勉強量と不安は反比例する」
今回の試験でこれを実感しました。
勉強の不安は勉強でしか克服することができません。
試験直前になって追い込むのもいいですが、精神的に安定した院試生活(?)を送りたい方は期間を長く持って不安を断ち切りましょう。
過去問からやろう
ではここから具体的な話に移ろうと思います。
つまり、実際に何から始めればよいか?というテクニックよりの話になります。
結論としては繰り返しになりますが「過去問からやろう」ということになります。
過去問からやるメリットは次の通りです。
- 目的をもって勉強できる
- 直前になって焦ることがない
- 実戦形式で楽しい
以下解説していきます。
目的をもって勉強できる
目的のない勉強は時間のムダになりかねません。
そこで大事になってくるのが、「自分はどこが分からないのか」という問いを常に頭において勉強することです。
よく、「演習書を何周もする」という勉強法がありますが、これは本質的ではなく目的もなくただ盲信的に問題をこなすだけでは本番で力を出すことはできません。(大学受験のときはこれで失敗しました。)
過去問を先にやる理由はここにあります。
過去問を先にやることによって、この「自分はどこが分からないのか」という問いに真正面からぶつかることになり、自分がよく理解できていない点を効率よく整理することができます。
そして、分からなかった問題を後で復習し、理解を深めます。演習書を辞書のように使っていくイメージです。
また、過去問を始めの方に解いておくことで、試験に出ない単元を勉強する手間を省くこともできるかもしれません。
例えば統計力学が過去問で一度も出ていない場合は統計力学に力を入れる必要はありませんよね。
このようにある意味「ヤマを張る」ことができます。ただでさえ時間が限られている院試なので効率よく勉強していきましょう。
直前になって焦ることがない
よく本番直前になって過去問をやる方がいます。
この考えも一理あって、本番直前の自分の実力を測ることができるので、点数がよければ自信につながります。
ですが、ここでもし悪い点を取ってしまったらどうでしょう。非常に焦りますね。
こうならないためにも過去問は早めにやっておくことを推奨しておきます。
「焦る」ということでもう一つ言っておくと、問題形式に慣れていなくて焦るということもあると思います。演習書しかやっていないときに陥りがちな罠です。
これも日常的に過去問に触れておくことで問題の形式・時間配分にも慣れて焦ることは少なくなるでしょう。
実戦形式で楽しい
なにより過去問は実戦形式で楽しいです。
自分は演習書をやるのが苦痛で、なによりそのボリュームに圧倒されていました。
一方過去問はだいたい2時間ぐらいで終わる上にどれもいい問題なので、とても勉強のコスパがいいなと思っていました。
そして、実際に自分が本番でやる難易度の問題なので「これが解ければ受かる…!」という楽しみがありました。
楽しくないと継続は難しいと思うので、過去問演習は自分に合っている勉強法だと思いました。
具体的な勉強計画
ではここまで見てきて「じゃあどうすればいいの?」という方もいるかと思うので具体的に僕の勉強計画(?)を紹介したいと思います。
9月~12月
だいたい1年前の9月くらいから始めました。そこから3ヶ月はひたすら基礎科目の演習をしていました。
いくら過去問を先にやろうといっても何もわからない状態で解いても得られるものは少ないので…。
使っていた参考書はこちらです。
英語もちょいちょいやってました。
12月から3月
この期間は自分の第一希望の大学院の過去問を基本的にやっていました。
解ける問題も割とあるのでモチベーションになりました。
解けない問題は完璧にするつもりで復習を行っていきました。先ほど言っていた問題集や学校の教科書などを使って辞書を引くようにして復習を行いました。
この時期には
といった演習書も購入しました。これらの本は「院試に出てくるような問題はほとんどあるんじゃないか?」と思えるほど網羅的に問題が掲載されているので、まさに辞書のような演習書です。
この問題集の問題を解くには、いくら時間があっても足りないので重要そうなところだけ解いて、後は過去問でわからない問題があったときに参照していました。
3月~7月
この期間は自分の受けるだろう大学院の過去問はすべてやっていたので、受けるつもりのない大学院の過去問をやっていました。
他の大学院で出た問題は自分のところでも出る可能性があるのでやって損はないと思います。(実際に他大の過去問と似たような問題が出ました。)
過去問と同じ問題は出ませんが、他の大学院ならば同じもの(近いもの)が出る可能性があるのでぜひチャレンジしていきましょう。
7月~8月
直前期には志望大学院の問題にチャレンジしました。2回目ではまた違った知見が得られるので、繰り返し練習していきました。
また、問題形式への慣れ、時間配分、計算ミスへの対処も考えながらやっていきました。
まとめ
この試験を振り返ってみると一番感じたことは「継続は大切」「勉強量と不安は反比例する」ということです。
僕もこの言葉を受験勉強の前に知ってはいましたが、知識として知っているということと、実際に経験して感じることとの間には結構差があるなと改めて思いました。
受験前で、この経験をしたことのない方は楽しみにしてほしいですね。
それでは以上になります。
ここまで見ていただきありがとうございました。