【電磁気】導体系に電荷を与えたときに生じる電界を求めてみた!

物理

今回は「導体系に電荷を与えたときに生じる電界」について解説したいと思います。

導体殻の内部に導体球を置いた導体系に電荷を与える場合を考えます。

導体殻をアースしたりすることによって電界が変化するので注意が必要です。

スポンサーリンク

導体系に電荷を与えたときに生じる電界

ケース1

ケース1は以下のような状態を考えます。

半径\(b\),外半径\(c\)の導体殻の内部に半径\(a\)導体球を置き、導体殻に電荷\(+Q\)を与えます。

このときの電場、電位を求めていきます。

電場と電位

導体外部の電場と表面の電位

ではまず、導体殻外部の電場と電位を求めます。

外部に半径\(r\)の球を考えると、ガウスの法則より

$$
\int {\bf E \cdot dr} = \frac{Q}{\epsilon_0}
$$

$$
4\pi r^2 E_r = \frac{Q}{\epsilon_0}
$$

なので

$$
E_r = \frac{Q}{4\pi \epsilon_0 r^2}\tag{1}
$$

となります。

球殻表面(\(r = c\))の電位は(1)式を\(\infty \to c\)まで積分して

\begin{eqnarray}
V_c &=& -\int_{\infty}^{c}E_r dr\\
&=& \frac{Q}{4\pi\epsilon_0c}\tag{2}
\end{eqnarray}

となります。

導体球と導体殻の間の電場・電位

導体殻の内部は (静電平衡状態なので)電場がないため、等電位になっています。

よって、導体殻の内側の表面\((r = b)\)の電位は

$$
V_b = V_c = \frac{Q}{4\pi\epsilon_0c} \tag{3}
$$

となります。

さらに、導体球と導体殻の間\((a<r<b)\)の電場を求めると

内部の導体球は電荷を帯びていないので、ガウスの法則から

$$
\int {\bf E \cdot dr} = \frac{0}{\epsilon_0}
$$

となり、

$$
E_r = 0\tag{4}
$$

です。

よって、 導体球と導体殻の間\((a<r<b)\) も等電位になっていて、導体球表面\((r = a)\)の電位\(V_a\)は

$$
V_a = V_b = V_c = \frac{Q}{4\pi\epsilon_0c} \tag{5}
$$

となります。

ケース1:電位の変化

ケース2

ケース2は以下のような状態を考えます。

半径\(b\),外半径\(c\)の導体殻の内部に半径\(a\)導体球を置き、導体殻に電荷\(+Q\)を与え、内部の導体球を接地します。

内部の導体球を接地しただけなので何も変わらないように思うかもしれませんが、これが思った以上に大きな影響を及ぼします。

電場と電位その2

ケース2の場合では導体球に電荷が出てきます。

なぜなら、 接地されることによって導体球の表面の電位が0になるからです。

別の考え方をすると、導体球の表面の電位が0になるように地面から電荷が供給されるとも言えます。

この電荷があるためにケース1とは電場・電位の様子が違ってきます。

導体外部の電場と表面の電位

内部の導体球に生じる電荷を\(-Q’\)とします。

このときの導体殻外部の電場と電位を求めます。

外部に半径\(r\)の球を考えると、ガウスの法則より

$$
\int {\bf E \cdot dr} = \frac{Q – Q’}{\epsilon_0}
$$

$$
4\pi r^2 E_r = \frac{Q – Q’}{\epsilon_0}
$$

なので

$$
E_r = \frac{Q-Q’}{4\pi \epsilon_0 r^2}\tag{6}
$$

となります。

球殻表面(\(r = c\))の電位は(1)式を\(\infty \to c\)まで積分して

\begin{eqnarray}
V_c &=& -\int_{\infty}^{c}E_r dr\\
&=& \frac{Q – Q’}{4\pi\epsilon_0c}\tag{7}
\end{eqnarray}

となります。

導体球と導体殻の間の電場・電位

導体殻の内部は (静電平衡状態なので)電場がないため、等電位になっています。

よって、導体殻の内側の表面\((r = b)\)の電位は

$$
V_b = V_c = \frac{Q-Q’}{4\pi\epsilon_0c} \tag{8}
$$

となります。

さらに、導体球と導体殻の間\((a<r<b)\)の電場を求めます。

今回、内部の導体球は電荷を帯びてるので、ガウスの法則から

$$
\int {\bf E \cdot dr} = \frac{-Q’}{\epsilon_0}
$$

となり、

$$
E_r = \frac{-Q’}{4\pi \epsilon_0 r^2}\tag{9}
$$

です。

よって、 導体球表面\((r=a)\)の電位は

\begin{eqnarray}
V_a &=& V_b -\int_{b}^{a}E_r dr\\
&=& \frac{Q-Q’}{4\pi\epsilon_0c} + \frac{-Q’}{4\pi \epsilon_0 }\left(\frac{1}{a}-\frac{1}{b}\right)
\end{eqnarray}

となります。

ここで、接地しているから\(V_a = 0\)の条件を思い出すと

$$
Q’ = \frac{Q}{\frac{c(b-a)}{ab}+1}\tag{10}
$$

となることがわかります。

後はこれを(6)~(9)式に代入すればすべての値を求めることができます。

ケース2:電位の変化

参考

今回はこちらの本を参考にさせていただきました。ぜひチェックしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました